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    「乾燥注意報」が出ていなくても火災に注意! 注意報発表基準は“最小湿度”と“実効湿度”の両方にあり 「冬火災」の危険性を気象予報士が解説

    テレビ宮崎の夕方ニュース「#Link」でお天気コーナーを担当している気象予報士・古山圭子さんが天気の豆知識を解説するコーナー。今回は、「乾燥注意報の発表基準」についてお伝えします。

    五ケ瀬スキー場ではゲレンデづくり

    まずは19日の五ヶ瀬町・向坂山の風景。五ケ瀬ハイランドスキー場では、ゲレンデづくりが始まっていて、南国宮崎とは思えない雪景色が広がっていました。

    さらに、視聴者から寄せられた写真を紹介する「みやそら通信」のコーナーでは、tvkozoさんが撮影した「樹氷」の写真が紹介されました。

    古山予報士:
    こちらは18日の朝10時半頃なんですけれども、すでに樹氷が見えていたようです。

    19日の宮崎県内は、17の観測地点のうち15地点で今シーズン一番の冷え込みを更新しました。朝の最低気温が7.5℃と、このシーズンで初めて一桁の冷え込みに。まさに冬の足音が聞こえてくるような一日でした。

    そして20日朝の最低気温も各地で一桁と、12月並みの冷え込みになりそうです。ただ、日中の最高気温はというと、グングン上がって宮崎市では20℃。過ごしやすい陽気となりそうです。

    古山予報士は「朝は冬、昼は秋ということで、1日の気温差が各地10℃以上、美郷では17℃と大きくなりそうなんです」と、服装での調整を呼びかけます。

    「乾燥注意報」が発表されていなくても安心できない?

    そんな季節の変わり目の話題から一転、古山さんは隣県・大分で発生した大規模火災のニュースに触れ、注意を促しました。

    火災が発生した大分では、この時期、雨が少ない傾向にありました。実際に、45日間の降水量を平年と比較したデータを見ると、宮崎県延岡市で31%、大分県佐賀関に至っては26%と、平年の4分の1程度しか雨が降っておらず、空気が非常に乾燥していたことがわかります。

    しかし、古山さんはここで重要な事実を指摘します。

    古山予報士:
    火災が発生した18日、大分には乾燥注意報は発表されていませんでした。

    空気がこれほど乾燥しているのに、なぜ注意報は出ていなかったのでしょうか。そこには、「乾燥注意報」が発表されるための明確な基準がありました。

    乾燥注意報の「2つの基準」

    宮崎県における乾燥注意報の発表基準は、以下の2つの条件をどちらも満たすと予想された時です。

    ・最小湿度 40%以下
    ・実効湿度 65%以下

    「最小湿度」とは、その日でもっとも低くなる湿度のことで、“空気そのものの乾燥具合”を示します。これが低いと、火がつきやすくなる、つまり「火災発生のしやすさ」の目安になります。

    一方、「実効湿度」とは、数日間の湿度の履歴から計算される、“木材の乾燥具合”を示す指標です。これが低いと、一度ついた火が燃え広がりやすくなる、つまり「延焼のしやすさ」の目安となるのです。

    つまり、空気がカラカラに乾いていても(最小湿度が低くても)、木材がある程度湿っていれば(実効湿度が高ければ)、注意報は発表されないことがあるのです。

    これからが本番。データで見る冬の火災

    これから冬本番を迎えるにあたり、火災への警戒はさらに必要になります。

    消防庁のデータによると、建物火災の月別発生件数は12月から急増し、春先にかけて高い水準で推移します。

    「空気の乾燥に加えて、強風、そしてストーブも使いますので、火災が多く発生しやすくなるんですね」と古山予報士。
    乾燥注意報は、火災への警戒を高めるための重要な情報です。しかし、注意報が発表されていない日でも、空気が乾燥し、風が強い日には火の元に細心の注意を払う必要があります。

    (テレビ宮崎)

    「乾燥注意報」が出ていなくても火災に注意! 注意報発表基準は“最小湿度”と“実効湿度”の両方にあり 「冬火災」の危険性を気象予報士が解説

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