北陸で梅雨入り エルニーニョで大雨リスク増 ラニーニャもあり 例年にない複雑な夏
平年日と同じ 昨年より5日遅い梅雨入り エルニーニョ現象発生で大雨リスクが増える懸念
6月9日、気象庁からエルニーニョ現象の発生と、今後、秋にかけてエルニーニョ現象が続く可能性が高い(90%)旨の発表がありました。
エルニーニョ現象が発生すると、南の太平洋高気圧の北への張り出しが弱く、梅雨前線を北へ押し上げる力が弱いため、梅雨の期間が長くなる可能性があります。日本付近は湿った空気の通り道となり、大雨リスクが増える可能性が高まるということです。仮に、梅雨明け速報の発表があった場合でも、天気が安定する典型的な「梅雨明け十日」とはならず、8月に入ってもぐずついた天気となる可能性があります。
最新の1か月予報 台風など突発的な要因はおりこまれていません
「降水量は1か月でほぼ平年並み」でも油断は禁物
過去、6月1か月の降水量が平年並みであった、直近の2021年、2016年、2014年の雨の降り方を図で見てみましょう。2021年(グレー色)と2014年(青色)は、ともに平年比が300%を超える大雨となった期間があります。その一方、降水がほとんど観測されない平年比が0%の期間もあり、短期集中型の大雨の期間があったことが分かります。
2016年に関しては、大雨期間の平年比のピークは前2者には及ばず172%となりましたが、やはり雨の降り方にはメリハリがあったと言えます。
従って、平年比が1か月で平年並やほぼ平年並みでも、「平坦な道の連続で1か月間毎日平年並みが続くことはない」ことに注意する必要がありそうです。
梅雨は1年で最も予報が当たりにくい時期
梅雨前線の南北位置がわずかにずれるだけで天気が変わる事例
梅雨前線の南北位置を決めるカギは、南の太平洋高気圧と北のオホーツク海や日本海の高気圧とのせめぎあいの結果と言っても過言ではありません。この部分の予想が前日と当日で変わってしまうと、境界領域付近では、天気が変わり、最高気温も大きく変わることがあるのです。
従って、この時期はいつも以上に、最新の天気予報を確認するようにして下さい。