秋も花粉症にご用心!秋花粉の種類と飛散時期、対策

この記事では、秋の花粉症の特徴や症状、原因となる花粉の種類、その飛散時期、そして秋の花粉症はどのように対策したらよいかについて解説します。
秋にも花粉症はある!気をつけたい秋花粉の種類

秋の花粉症の代表的な原因となる植物
ちなみに、日本で初めて花粉症が報告されたのは、意外にもスギではなく、秋のブタクサ花粉症でした(1961年)。
全体的な傾向としては、春は主に樹木の花粉、秋は主に草木の花粉が原因になります。これら原因となる草木は、河川敷や、公園、空き地、道端など、身近に自生しているものが多いという点で注意が必要です。
<原因となる主な秋花粉の種類>
・ブタクサ(キク科)
夏から秋にかけて、2〜3mmの黄色い花が穂になって咲きます。葉っぱは深い切れ込みが入っています。花粉の大きさは直径18~20μmほどと、スギ花粉の半分程度です。
・ヨモギ(キク科)
食用や薬用としても使われるヨモギですが、夏から秋にかけて枝分かれした茎に2〜3mmほどの花を多数つけます。花は黄褐色や紫褐色の筒状で、あまり目立ちません。花粉の大きさは直径22〜25μmほどです。
・カナムグラ(アサ科)
つる性の植物で、葉っぱは手のひらのような形をしています。茎や葉柄には棘があるので注意が必要です。花は雄株と雌株で形が異なり、雄株は白緑色の小さな花を大量に咲かせ、花粉を撒き散らします。雌株はホップのような花を咲かせます。花粉の大きさは直径22〜26μmほどです。
・イネ科
花粉症の原因になるイネ科の植物は多数あり、春から秋にかけて開花します。秋だけでなく、春から継続して気をつけなければならないのが、このイネ科花粉です。例えば、春に開花するカモガヤ、スズメノテッポウ、ナガハグサ、夏から秋に開花するススキ、オシヒバ、メヒシバ、アキノエノコログサなどがあります。いずれも茎に節があり、並行な葉脈をもった細長い葉が特徴です。花粉のサイズは30〜100μmほどです。
秋の花粉の飛散時期(地域別)

秋の花粉の飛散時期(地域別)
地域ごとの秋の花粉の飛散時期は以下の通りです。
<北海道>
・ヨモギ 8月上旬〜9月下旬
・イネ科 5月上旬〜9月下旬
北海道では、ブタクサやカナムグラはほとんどみられません。ヨモギもそれほど飛散量は多くなく、目立ったピークはありません。
<東北>
・ブタクサ 8月中旬〜10月中旬
・ヨモギ 8月中旬〜10月下旬
・カナムグラ 8月下旬〜10月中旬
・イネ科 3月下旬〜10月下旬、12月下旬
東北では、9月上旬にブタクサとヨモギの花粉がピークを迎え、非常に多く飛散します。
<関東>
・ブタクサ 7月中旬〜12月下旬
・ヨモギ 7月下旬〜11月中旬、12月中旬
・カナムグラ 8月中旬〜11月中旬
・イネ科 2月中旬〜12月下旬
関東では、他の地域と比べて飛散時期や飛散量が多い傾向があります。それぞれブタクサ花粉は8月下旬〜9月下旬、ヨモギ花粉は9月中旬、カナムグラ花粉は9月上旬〜10月下旬頃にピークがあり、非常に多く飛散します。
<東海>
・ブタクサ 9月中旬〜下旬
・ヨモギ 8月中旬と9月中旬〜10月中旬
・カナムグラ 9月中旬〜11月上旬
・イネ科 3月中旬〜10月
東海でも秋の花粉は飛散しますが、いずれの種類も飛散量はそれほど多くなく、目立ったピークはありません。
<関西>
・ブタクサ 8月下旬〜10月中旬
・ヨモギ 8月下旬〜11月中旬
・カナムグラ 8月上旬と9月中旬〜11月中旬
・イネ科 1月上旬〜中旬と2月中旬〜11月中旬
関西では、とくに9月〜10月頃を中心に秋の花粉の飛散量が増える傾向があります。
<九州>
・ブタクサ 9月上旬〜10月下旬
・ヨモギ 8月中旬〜11月上旬頃
・カナムグラ 8月下旬〜11月上旬頃
・イネ科 2月中旬〜11月下旬頃、12月下旬
九州では、とくに9月下旬を中心に秋の花粉の飛散量が増える傾向があります。
秋の花粉症の症状

秋の花粉症の代表的な症状
ただし、秋の花粉はスギなどに比べて粒子が小さいものが多く、体の奥まで入り込みやすいため、のどから気管支にかけての症状に特に注意が必要です。のどのイガイガやせきといった症状に加え、花粉が気管支に入り込み、喘息のような症状を引き起こすこともあります。
こうした症状は、風邪と勘違いをしやすく、なかなか治らないと思ったら花粉症だったなんてことも。症状が長引く場合には、耳鼻咽喉科や内科を受診しましょう。
秋の花粉症対策

秋の花粉症対策
また帰宅後は、家に入る前に服や髪についた花粉を払い落とし、うがい・洗顔・手洗いをして喉や顔、手についた花粉を落としましょう。また、こまめに拭き掃除をして、室内の花粉を除去しましょう。
さらに、秋の花粉ならではの対策としては、原因となる草木に近づかないことがポイントです。樹木が中心となる春と比べて、草木が中心となる秋の花粉は、背が低い分飛散する範囲が狭くなります。その飛散範囲は数十〜数百mと言われており、数十〜数百kmも飛ぶスギやヒノキと比べるとかなり限定的です。
河川敷や公園、空き地など、雑草がよく生えている場所は、できるだけ避けるようにしましょう。秋は行楽シーズンでもあるため、うっかり近づいてしまうこともあるので注意してください。また、自宅の敷地内に生えている場合は、花を咲かせる前に除去しておきましょう。