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新潟県内で記録的な大雪を観測した2月7日から8日にかけて、JRの一部列車が駅で運転を取りやめ、乗客が最大約9時間足止めされていたことが分かった。一体なぜ、JRは途中の駅で運転をとりやめたのか…そこには、7年前に発生した信越線での立往生の教訓があった。
記録的な大雪…JR駅で乗客約570人足止め
この冬一番の寒波が流れ込み大雪となった2月7日、新潟市中央区では12時間降雪量が50cmを観測し、顕著な大雪に関する気象情報が発表された。
こうした状況に、JR東日本新潟支社は2月7日午後10時ごろから越後線や信越線など4つの路線で列車の運転を駅に到着した段階で取りやめていたことが分かった。
県内10駅で約570人が足止めされ、救済までに最大8時間40分を要した。
駅に到着した段階で運転を取りやめた理由について、白山弘子支社長は2月20日の会見で「お客様の安全を最優先に考えて、『駅と駅の間には止めない』ということを確認しながら、一本一本列車を動かしながら、途中駅で停車した」と説明した。
救済に15時間超…“駅と駅の間”で立往生した列車
こうした決断の背景にあるのが、7年前の列車の立往生だ。
2018年1月、想定を超える大雪により、三条市の東光寺駅と帯織駅の間で信越線の列車が立往生する事態が発生。
約430人の乗客が列車内で一夜を明かし、救済までには15時間以上を要した。
これを教訓に、JRは乗客の負担を減らそうと、待合所やトイレなど設備が整っている駅で運転を取りやめ県に応援を要請した。
予想以上だった大雪…「まだまだできる部分ある」
対策を立て決断したものの、予想以上の大雪に誤算もあった。
県内の国道は集中除雪のため、大規模な通行止めを実施。この影響でタクシーや車が来るまで時間がかかってしまった。
白山支社長は「今回の事象について、我々もまだまだできる部分もあると思うので、そこについてはしっかりと振り返りをしながら、より早めにお客様に情報提供し、途中の駅で止まることがないように、早めの運転規制を含めて検討していきたい」と話した。
JRは今後、早めに除雪作業を行うなど更なる対策を検討する方針だ。
(NST新潟総合テレビ)