桜の開花は毎年違いますが、近年は全体的に早くなっているようですね。しかし、花が咲いているだけが桜ではありません。実は最初から最後まで味わい尽くせるのが桜なのです。そんな桜の季語をリレーでお送りしましょう。
冬の間眠っていた
「桜の芽」も、気温の上昇とともに次第に膨らんできます。日ごと大きくなる芽は蕾(つぼみ)となり、花が咲く前から枝全体がピンク色に。
そして開花。初めて咲いた桜を
「初桜」、
「初花」と呼び特別な瞬間を喜びます。
桜はそれぞれのシチュエーションで楽しみます。朝に見る
「朝桜」、夕方に見る
「夕桜」、夜に見る
「夜桜」など。
桜の種類はどうでしょうか。
お彼岸頃に咲く
「彼岸桜」、姿が美しい
「枝垂れ桜」、ソメイヨシノより一足遅い
「八重桜」、奈良の吉野山が代表の
「山桜」。時期や場所を選んで鑑賞できるのも日本ならではですね。
いよいよ七分咲きになった辺りで桜は見ごろとなり
「花盛り」を迎えます。まるで周辺が明るくなったような
「花明り」、空との境が見えなくなるような
「花朧(おぼろ)」、花を濡らす
「花の雨」。
「花の雲」は、堤などに連なる桜が雲のようだという意味で、上から見たドローン映像のよう。
桜には青空が似合いますが、時に曇りばかり続くこともあります。それを
「花曇(ぐもり)」、咲いてから気温が低く散るのを遅らせる
「花冷え」、
「養花天(ようかてん)」なども。
さて、桜の楽しみといえば
「花見」ですね。
「花筵(むしろ)」を敷き、お洒落な服
「花衣(ごろも)」を着て行う
「花の宴(えん)」で最高潮を迎え、ついに今年の桜ともお別れです。
「散る桜」、
「飛花」、
「落花」、
「花吹雪」。散り際、散ったあとまで美しいのが桜ですが、散った花びらを
「花の屑(くず)」、水に浮かんだ花びらを
「花筏(いかだ)」と呼び、最後まで愛でるのです。
青森の
弘前公園の花筏は、一生に一度は見たい絶景といわれています。