環のある神秘的な姿が人気の土星が、8月15日に「衝(しょう)」となり、観望の好機を迎えます。衝とは、地球から見て太陽系の天体が太陽と反対側にくる時で、最も地球に接近して明るく見えます。太陽が沈む頃に東空から昇り、日の出の頃に西空に沈むため、一晩中観察可能です。
土星の環は、およそ15年の周期で傾きが変化します。2017年に環が大きく開いた後は、徐々に環が細くなりつつあります。2025年には地球や太陽から見て真横一直線になって見えなくなり、いわゆる「環の消失」となります。2022年は、土星本体が環から大きくはみ出た、バランスのとれた美しい姿。土星の環は小さな望遠鏡でも十分確認できます。チャンスがあれば、ぜひ望遠鏡で眺めてみたいですね。
8月11日から12日にかけて、月が土星に接近します。最も近づいて見える12日は満月。土星は0.4等のやや控え目な輝きですが、見頃を迎えた土星と美しい満月の共演を楽しみましょう。
・参考文献
『アストロガイド 星空年鑑 2022』 アストロアーツ
・参考サイト
国立天文台「ほしぞら情報(2022年8月)」