CMは企業によるマーケティングの一環といえますが、発信者から私たち生活者へのメッセージであり、コミュニケーションツールともいえます。みなさんは、ずっと記憶に残っているCMやお気に入りのCMはありませんか。次回作が気になるシリーズものや、キャッチコピーが印象的だったり、音楽が耳に残るCMもありますね。その時代を的確にとらえたCMはメッセージ性が高く、特に私たちの記憶に残るのではないでしょうか。
新型コロナウイルスの感染が拡大し、仕事はリモートが推奨され、学校は休校が相次いでいた6月、CM総合研究所が発表する銘柄別CM好感度ランキングで1位になったのは、『ゼスプリ キウイフルーツ』のCMでした。キャッチコピーは「ヘルシーを、やみつきに。」。「ストイックなイメージがある健康的な生活を、もっと積極的に楽しみたくなるものにしよう」という思いが込められています。
おなじみのキャラクター、キウイブラザーズがジョギングや筋トレなどに挑戦するもあえなく挫折してしまう姿に癒される人が続出。「ヘルシーは好きなことを楽しみながら」と歌うゆったりとしたテンポのCMソング も、コロナ禍ではりつめていた視聴者の心を和ませました。キャラクターたちの動きはコマ撮りのフルアニメーションで、1コマ1コマ人形を動かして撮影しているそうです。CGで表現できないアナログな動きも、癒し効果にひと役かっているようですね。
当初予定されていたCMソングは、頑張るキウイブラザーズを応援するようなアップテンポの曲調でしたが、新型コロナウイルス感染の拡大を受けて、歌詞やストーリーをポジティブで温かい方向に、曲調もゆったりしたものに軌道修正されました。世相を反映し、人々の気持ちに寄り添ったCMは、小学生や女性層を中心に幅広い層から支持を集めました。 好感要因は「出演者・キャラクター」が最も多く、「かわいらしい」「ユーモラス」「音楽・サウンド」が続きます。調査モニターからは「キウイのキャラクターがとてもかわいい」「アコースティックな曲に癒やされる」「幸せな気分になる」といったコメントが寄せられ、コロナ禍での健康への関心の高まりもあり、「体にいいことは疲れるなどの歌詞に共感」「好きだから続けられるの言葉に納得」などの感想も寄せられました。
世相を反映し、その時代の記憶をつくるCM。生活や価値観が大きく変化し、主たるメディアも、ラジオからテレビ、Webへと変化するなかで、これからどのようなCMが新しく生み出されることになるのでしょうか。
参考サイト
テレビ放送の歴史(NHK)日本テレビ略史電通報東洋経済ONLINE「60秒の長編『ゼスプリ』CMが断トツ人気のワケ」:https://toyokeizai.net/articles/-/359194?display=b
NIKKEI STYLE:https://style.nikkei.com/