では、偶然の幸運に出会う能力「セレンディピティ」を手にするにはどうしたらよいのでしょうか。
セレンディピティに関して発信し続けている脳科学者茂木健一郎氏によると、何よりも大切なのはまず「行動する」こと。最初は何を目的としても良いから、とにかく何らかのアクションを起こすことを推奨しています。受け身で幸運を待っていても出会える保証はないのです。Aという目標のために行動していたら、Bに出会うというのがセレンディピティであり、Aは極端なことを言えば何でもあり。迷っていたら勇気を出して自ら動いてみましょう。知らない街を散歩してみる、旅行に行くというのもセレンディピティを体感するにはぴったりとのこと。なんだか楽しくなってきましたね!
次に必要なのは、何かに出会ったらそのことに「気づく」こと。そのためには、ある程度心の余裕があると良いそう。目標に気を取られ、それ以外に目がいかないようではセレンディピティに気づけないなんてことに…。思いがけない出会いをしっかり自分のものにできるように、柔軟な瞬発力を蓄えておきましょう!
最後に、出会ったものに気づいたら、それを「受け入れる」こと。偶然出会ったものが自分の価値観を変えるようなものでも、変化を恐れずに勇気を持って受け入れるのです。それは、最も重要でしかも難しいことかもしれません。自分のこれまでの世界観とは違う何ものかに出会ったとき、それをどれくらい受け入れられるか。この受容のプロセスを経てセレンディピティが完成するのです。
「世界の中をふらふらと散歩する。そんな中で、偶然の幸運に出会う。創造への道は、旅することに似ていると思ったら、こんなに楽しいことはないではないか。」
茂木健一郎氏は、著書のなかでこのようなメッセージを記しています。
「セレンディピティは、人生が私たちに用意してくれている味わい深いサプライズ。」
参考文献
茂木 健一郎『セレンディピティの時代 偶然の幸運に出会う方法』講談社文庫 2009
参考サイト:日本セレンディピティ協会